生き物と食べ物の狭間で。

 最近、「アニマルウェルフェア」という単語を聞くようになった。

 直訳すると「動物の福祉」。
 動物愛護の精神とはちょっとニュアンスが違う。

 食肉動物の生活環境を快適にしよう、という思想の事を言うらしいのだ。

 人が生きてゆくために命を頂く動物を、
 せめて生きている間は幸福に暮らせるようにすべきだ、という考え方。
 何やらこの思想に沿って飼育した禽獣でなければ国際的なイベントなどで振る舞われる料理に使ってはいけない、なんて制約も出来ているらしい。



 ええと。うん。
 以前からたまに言ってることだけど。
 この手の思想には気持ち悪さしか覚えないのが自分と言う人間。


 人間より下位とみなす生き物に憐憫を表すことで自身を「上等な人間」に仕立てようという、キリスト教徒の嫌な側面が見え隠れするみたいでねぇ。
 


 自身の命を繋ぐために他の生き物の命を奪う。
 これ自体はどうすることも出来ないこと。霞喰って生きてゆくことなんてできないからね。
 ゆえにせめて、頂く命には感謝と敬意を抱くべき。これは分かる。

 でもアニマルウェルフェアにはどうにもおためごかしじみた物しか感じなくて困る。


 藤子F先生の「ミノタウロスの皿」でも読んで、
 食べられるために生まれたような生き物たちとどう接するかはじっくりと考えたい。
 一時期牧場で暮らし家畜の世話をした経験のある身としても、そう思う。
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