神に抗う。

 ―承前。

 聊か遅ればせながら、今最も話題に上がってると思われる映画を見てきたよ。
 …いや新海アニメのほうじゃなくてね?あれの配給ここいらじゃ来月なのよ。田舎だし。

 そう。現代邦画の粋を結集して制作されたとしても過言ではない「怪獣映画」。
 『シン・ゴジラ』だ。


 「怪獣」という概念自体が絵空事の中にすら存在しない世界に突如現れた超巨大原子力生命体に、
 オキシジェンデストロイヤーもスーパーXも持たないどころか世知辛い都合で自縄自縛しまくってる人類が立ち向かう物語である。

 いや、これがもう。
 映像的にもシナリオ的にも、「もし現代日本にゴジラが現れたら」というシミュレーションに徹していて、
 何やら虚構とは割り切れないほどのゾワゾワするリアリティを覚えてしまったんよ。
 ってゆーか矢口くらいぶっ飛んだ奴がいなかったら完全に詰んでただろ、あれ。
 
 見知った光景に全長100m超のバカでかい「異物」が放り込まれた、視覚上の圧倒的違和感。
 人間様のせせこましい思惑など知ったことかとばかりに次々と姿を変える「想定外」の権化。
 米軍のバンカーバスターを食らうまでは能動的には何もせずただ歩くだけ。だがただそこにいるだけで周囲を地獄に変える様は正しく(ヒトにはどうすることもできないという意味での)「神」。

 そういった存在を、画面上に如実に顕現せしめて見せたのにはただただ驚嘆。


 そして、そんな埒外の脅威に身勝手な都合を振りかざしつつ対処せんと右往左往する日本政府の様には笑うに笑えないブラックジョーク的なものさえ覚える。シチュエーション小松左京で、登場人物筒井康隆っつーか。

 ほんっっっっとうに、矢口とかカヨコとかのリアリティのないある意味頭のおかしい奴がいてよかった。

 ゴジラに対する最終兵器が戦車でも戦闘機でもなく、「生コンクレーン」だってのにもいろんな意味でも唸ってしまったり。

 そんなわけで。
 それまでのゴジラ映画とは違うようで似通ってる、そしてハリウッドのGODZILLAとはまた根本的に違う日本の怪獣映画の現時点での「最良解」を見た気がする。
 これは話題になるのもむべなるかな。見てきてよかった。
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