2016/01/09

苦難のデビュー。

 在所で初代『ウルトラマン』デジタルリマスター版を放映している事は以前も書いた。
 数えて半世紀も前の作品になるにもかかわらず今の目でも十分鑑賞に堪えるもので何気に毎回楽しみにしているのだが。

 先日年明け一発目の放映になったのが初の前後編「怪獣殿下」。


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 そう、今や円谷の大スターである古代怪獣ゴモラのデビュー作だ。


 ・・・・・・しかしまぁ。改めて見てもこの話のキモは、
 「理不尽な目に遭っているのは明らかにゴモラのほう」っていう点ではないだろうか。

 ジョンスン島でのんびりと過ごしていただけなのに、
 人間様の勝手な了見で一服盛られて日本くんだりまで連れて来られた挙句、
 高度2,000mから紐無しバンジーさせられてしまうのだから。

 「ショックで本来の凶暴性が目覚めてしまった」なんてあの学者先生は言ってたが、
 ああまでされたらどんなに温厚な奴でもブチ切れて当然ではないだろうか。

 その果てに「万博には剥製で我慢します!」だと!?何様だてめぇら!!

 IMGP4475.jpg
 「わし今めっちゃ虫の居所悪いねん!」とばかりにウルトラマンをボッコボコにするのも仕方なかったんじゃなかろうか。


 そう考えるとサブタイが「怪獣殿下」なのも示唆的だ。
 ゲスト出演の怪獣大好き少年だが、別に怪獣に対し好意的でも同情的でもない。
 「怪獣なんて暴れに暴れた末に科特隊かウルトラマンにぶっ殺されてなんぼ」と思っている、いわば視聴者の代表。
 そういうキャラを登用する事で、この怪獣に対する理不尽さを直ぐには気付かせないようにしているのだ。

 後から思い返して、
 「これはそういう話だったんだ」と気付かせる。それがこの時代のヒーロー番組の仕掛け。

 後編で科特隊に尻尾をちょん切られた上角をへし折られたところにスペシウムをぶち込まれるという実に悲惨な末路を遂げたゴモラが、
 今や主役級の大活躍をしているというのは、
 公式のせめてもの罪滅ぼしなのかもしれない。
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A.V.S.&ドラティア

 脳味噌無駄遣い道を探求する共謀者たち・一退役兵とドラティアが関西辺境から世界を睥睨しつつ発信するためにならないブログ。

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