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 戦後70年の節目といわれる年も残すところカレンダー1枚となった折に、訃報がひとつ飛び込んでくる。


 そう、このブログでも何度か取り上げた事のある漫画界の大御所、水木しげる氏。
 地獄の南方戦線を生き抜き、激動の戦後昭和の辛酸を舐め尽くした生き証人でもあったかの偉大なるクリエーターが、よりによってこの年に「もういいだろう」とでも言うように肉体を捨て、愛して止まぬ霊異の世界に旅立ってしまわれた。

 基本的に「人は死んだらそれっきり。死後の世界なんてどこにもない」と考えている性質なのだが、
 この人ばかりは何だか「在り方がちょっと変わっただけ」って気がするね。


 恐らくは、人と人間社会の暗黒面など嫌というほど見続けたであろうかの御仁。
 だが同時に、その闇に潜み蠢くものたちを深く愛してもいた。
 古来の妖怪絵師たちの仕事を引き継ぐように、また新たに人の心の闇が生み出す異形に形を与え続けた、それは浮世離れしているようで実は人の心に寄り添い続けたということであろう所業。

 その仕事が現世にあっては途切れてしまう事はさびしいが、不思議と悲しくはない。
 だからお別れなど言わない。ただこの機に、そう思わせてくれるような偉業を遺してくれた創造者に、ささやかながら感謝の意を。
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A.V.S.&ドラティア
Posted byA.V.S.&ドラティア

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