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三度、ひとごろしの話。

  • Posted by: A.V.S.&ドラティア
  • 2015-02-10 Tue 23:05:31
  • 随想
 海の向こうの自称「神の戦士」が人の首を掻っ切る様を公開し、
 街中で頑是無き子供がめった刺しにされ、
 かと思えば、審議差し戻しを勝ち取った元死刑囚が死刑廃止を訴える。

 そんな昨今。
 「人が人を殺す」という行為について、思いを馳せざるを得ない今日この頃である。

 人を殺すことは人にとっては最大最悪の禁忌にして罪悪とされ、
 それを成してしまったものは法的に罰せられるだけでなく、その一族郎党に至るまで社会的に敵視される。
 少なくともこの国においてはそう。

 ―一方で。
 恐らくは誰もが日常的にほんのわずかでも「こいつぶっ殺してやりたい」という意識が脳内をよぎり、
 極めて怜悧あるいは利己的な動機が人を殺し続けている。
 それも現実。

 人殺しに直接関わっていない我が身などはこうやってしたり顔で理屈らしいものを並べ立てて見せるが、
 関わってしまったものは感情論ばかりを押し立てる。

 何のかんので、どちらも殺人という事柄にちゃんと向き合っているとは言えないのかもしれない。
 それだけそれは根源的嫌悪にまで届く禁忌で、同時にある種の魅力さえも内包しているのだろう。

 人間社会はエゴの妥協点の模索で動いている、というのが予てよりの持論だが、
 それが最大限に上手く機能することは現時点、望めない。
 バラバラの大きさの歯車が軋み、あるところでは空転し、あるところでは歯を折りながら回っているような世界。
 その軋轢に轢き潰され、今日もどこかで人が死ぬ。
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