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 ただえいっ、と放り投げられ、そして暫くしたらまたぽとりと落ちてくる。
 そんな、実に単純な、何でもない代物。

 それを本日、全国の、いや全世界の人々が見送った。

 落ちてくるまでに掛かる時間は、予定では6年。
 距離にして実に数十億kmに及ぶ。

 言わずと知れた日本の小惑星探査機、はやぶさ2である。


 その学術的目的はさておき。
 これほど多くの人々に応援されているマシンは世界中探しても稀なのではないだろうか。
 その打ち上げの様を一目見ようと多くの人が種子島まで詰め掛け、
 打ち上げ映像を見て涙ぐむ人さえいたことは、もはや人々にとっては「ただの機械」ではなくなっていることを示している。

 4年前、苦難の旅路を乗り越え先代はやぶさが地球に帰還して以来、
 一気に知名度の上がった小惑星帯往還計画。
 このささやかな機械は、最も苛酷な道のりを歩む巡礼者の如き性格を持つに至った。
 暗く、何もない宇宙空間を飛んでゆくであろうその姿を、孤独かつ崇高な旅人に准えたのだ。

 科学という分野が、ロマンチシズムと切り離せないものであることを、端的に現した例であるとも思える。
 せせこましい地上の雑事からちょっとだけでも目を離し空を見上げれば、そのどこかに偉大な旅人がいる。
 その事実は、どうしようもなく人の心を掻き立てるのだ。


 さて、予定では6年後地球に帰ってくるはやぶさ2を、
 このブログは出迎えられるだろうか?
 
 
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A.V.S.&ドラティア
Posted byA.V.S.&ドラティア

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