供贄の世紀。

 神戸のほうで悲惨な事件があったのは周知の通り。
 直様に「容疑者」が挙げられているわけだが。

 特定の決め手が名前の書かれた診察券だ、という点に
 「・・・それおかしくね?」と思わずに「マヌケな奴もいたもんだw」と思う人がどうやら結構いるらしい。

 こういう凶悪事件が発生すると、
 世の中は早期解決を望むのが必定。
 さっさと犯人を捕まえて、とりあえずはめでたしと片付けたいもの。

 だから。
 
 連日かの「容疑者」に関する様々な情報が飛び交っているが、
 恣意的な偏向がかかってないとは言い切れなくはないか。

 こいつは異常だ。こいつならやりかねん。やっぱこいつだろ。こいつに違いない。
 そういう意識で世間を塗りつぶし、それではいはいこの話はこれでおしまい、としたがっていないか。

 起こってしまったことはもう変えようがない。
 誰を捕まえ、罰したとしても、死んだ子が戻ってくることはもう、ない。

 だから、せめて。
 もう変えようのない過去を、可能な限り正確に再現把握することが肝要なのじゃないのか。
 個人とか、世間とかの都合など関係なしに。
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