FC2ブログ

共謀空間FC

〜74年目の復習。〜
手慰み。 2019.08.18
残暑凌ぐ。 2019.08.17
彼岸の火。 2019.08.16
嵐の盆。 2019.08.15
鬼門コンビ・白。 2019.08.14

Νίκη της Σαμοθράκης

 誰もが知ってる世界の芸術作品の誰も知らない側面を、頼みもしないのに暴き出す。
 頭のおかしいフリーイングのアクションフィギュアシリーズfigma『テーブル美術館』。
 矢継ぎ早に新作登場。(前作の「幽霊図」が延期になってたからね)

 原点たる彫刻作品に立ち返ったこの一品。
 IMG_4748.jpg
 古代ギリシア彫刻の傑作、『サモトラケのニケ』像。
 案外元ネタのルーヴル美術館の展示品がないシリーズ中、純然たるルーヴル所蔵の作品。

 IMG_4749.jpg
 ギリシャ領サモトラケ島で発見された翼を持つ女神を象った大理石像。
 女神アテネの傍に仕える勝利の女神ニケであるとされ、「天使」のイメージの大元となったといわれる。
 
 IMG_4750.jpg
 頭部と両腕が失われ拡げた翼だけが印象に残る姿を再現。
 大理石の質感を塗装で表現。

 IMG_4751.jpg
 欠落部分を再現したディティール。

 IMG_4752.jpg
 粉々の細片で見つかったという左翼には修復跡も再現されていたり。

 IMG_4753.jpg
 当然ながら翼には関節が仕込まれ可動。

 IMG_4754.jpg
 ローブに覆われた下半身にも複雑に可動分割が仕込まれている。

 IMG_4755.jpg
 台座から外し衣の一部を付け替えることでさらに可動が広く。
 …古典彫刻のはずなのにえらく前衛的になってくる。
 因みにここまで動かすと、元通りまとめるのは結構大変。

 IMG_4756.jpg
 肩関節と頸付きの上半身に差し替えることで―

 IMG_4757.jpg
 同シリーズの同じギリシア彫刻、ミロのヴィーナスの頭部と両腕を移植。
 パーフェクト・ニケ(仮)にすることが可能。

 IMG_4758.jpg
 元はこう片手を差し上げ、勝利者に捧げる月桂冠を持っていたという説。

 IMG_4759.jpg
 同じ「欠落の美」が有名な作品でもアプローチの違いが面白い。

 一時期妙な方向に走った作品チョイスだったが本当に原点に立ち返った感が。
 さて新作の話が聞こえてこないが、次はいかに。

スポンサーサイト

返魂香之図。

 IMG_4703.jpg
 世に名だたる美術作品を不遜にもアクションフィギュアにしてしまうフリーイングのfigma『テーブル美術館』。
 久々の新作は京都画壇の大御所円山派の開祖・円山応挙の筆による「幽霊図」。
 真冬にジャパニーズトラディショナルゴーストの登場だ。発売元によりお祓い済。


 IMG_4704.jpg
 谷中全生庵に奉納されている軸絵。
 以降日本の「幽霊」という概念を決定づけることになったビジュアル。

 IMG_4705.jpg
 全体クリアパーツに塗装で死に装束の経帷子姿を再現。
 さすがにマテリアライズされているので元絵の幽玄に透き通った感じは再現しきれていないけれど。
 髪もクリアパーツに塗装されている。
 幽霊らしく足はなく、スタンド必須。

 IMG_4707.jpg
 元絵はちょっと優しげな表情に見えるけれどこちらは無表情な印象。
 目線が分からないのが怖い。

 IMG_4708.jpg
 例によって背景の掛け軸はプラ枠付きのボードで再現。

 IMG_4710.jpg
 IMG_4709.jpg
 アクションフィギュアと相性の悪い着物姿だが二の腕部分を差し替えることで曲げ伸ばしを違和感なく再現できる。

 IMG_4711.jpg
 足はないが下半身部分は3か所でフレキシブルに可動。
 裾には尻尾(?)を付けることができる。

 IMG_4713.jpg
 応挙のもう一つの幽霊図を再現できる頭部も付属する。

 IMG_4714.jpg
 こちらはおどろおどろしくもユーモラス。

 IMG_4716.jpg
 IMG_4715.jpg
 案外優秀な可動と豊富な手首で艶っぽくもおっかなくも。


 応挙の幽霊絵といえばあまりにも写実的故に夜な夜な絵から抜け出してくるなどという話もあったが、
 それを半ば実現してしまったのが本作。

 このフィギュアも夜中には部屋を飛び回ってるかもなぁ。ふふ。

 

致命傷。

 夏場は玩具にはいろいろと不具合が生じる季節であるが、
 冬場とて安心はできない。

 寒さでPVC系素材が硬くなると少々困ったことが起きるのだ。

 というわけで。とあるフィギュアの手首を交換しようとしたら、
 ボールジョイント式の手首軸が折れるという案件が発生。

 場所が場所だけに修理は困難と判断。
 やむを得ずちょっと古めのフィギュアを犠牲にし、部品の移植を行った。
 若干の規格の違いを、力業でカバー。

 お湯などで温めると随分ましになるのは分かってるんだけど、
 そんなもの片手に遊ぶってのもなぁ。

 IMG_4700.jpg
 この人とかも手首交換が煩雑な仕様なので
 つい手が遠のいてしまう。
 寒い時期は玩具遊びには向かん。むぅ。

三代目 大谷鬼次ノ奴江戸兵衛。

 世界に冠たる人類の至宝たる芸術作品の数々を、
 大胆不敵にもアクションフィギュアにしてしまうアタマのオカしいfigmaシリーズ、
 フリーイングの『テーブル美術館』に久々の新作が登場。

 遂に、日本が世界に誇る浮世絵をフィギュア化するという暴挙を敢行。
 IMG_2170.jpg
 幻の絵師と言われる東洲斎写楽の手による役者絵の代名詞がその生贄モチーフとなった。

 IMG_2171.jpg
 河原崎座の「恋女房染分手綱」に取材。この演目の敵役である鷲塚八平次の手下の一人を描いたもの。
 悪役キャラクターならではの緊張感を見事に表現した傑作。

 IMG_2172.jpg
 …バストショットしかない人物画の全身なんてよく作ったものだよね。

 IMG_2173.jpg
 どう考えても写実からは程遠い絵柄の顔を立体化するという無茶をやらかしているが、どの角度から見ても破綻はない。

 IMG_2174.jpg
 かなりケレンの利いた手の表情が評判だが、さすがにそれを立体化するのは難しかったか。

 IMG_2182.jpg
 下半身は言ってしまえば捏造。
 尻を絡げて褌を晒した格好は実際の舞台衣装に取材したものか。
 脚の表現なども浮世絵の全身画を参考にしたと思われる。

 IMG_2175.jpg
 着物には丸屋の定紋。

 IMG_2183.jpg
 背景部分は『叫び』と同じくプラ枠のついたボードで、スタンドに立てて使用。

 IMG_2177.jpg
 着物の袖に腕を通した状態の上半身が付属。
 固定上半身から下腕を移してくる必要あり。
 これでフル可動状態になる。

 IMG_2178.jpg
 全身のバランスを考慮したやや小さめの頭部も付属。
 可動フィギュアとは相性の悪い着物姿だが巧妙に処理。

 IMG_2179.jpg
 固定上半身から袖だけを差し替えて懐手状態も再現出来たりする。

 IMG_2176.jpg
 帯には刀を取り付けることが出来る。
 浪人なのか二本差し。妙に豪華な拵えだがまぁ演劇用小道具ってことで。

 IMG_2181.jpg
 柄を外し、抜き身を持たせて抜刀状態も再現可能。

 IMG_2184.jpg
 役柄には不相応かもだが見得を切らせてみる。
 褌の前垂れのせいで下半身の可動が難だが、何気に可動性能も優秀なのだ。

 誰も想像できなかった「動く浮世絵」を見事に実現してしまった狂気の一作。
 妥協のない作りこみの上オプションもサービス精神旺盛でかなり遊べてしまうから悔しい。

 さて、次に予定されているのも日本画。また酷い題材を選んでるなぁ…

 

 

Skrik.

 誰もが知ってる芸術作品の誰も知らない側面を、誰も頼まないのに引きずり出す。
 頭のおかしいfigmaシリーズ「テーブル美術館」に、

 20世紀初頭表現主義絵画の金字塔『叫び』が登場。
 IMG_1495.jpg

 IMG_1496.jpg
 生きる事への不安や苦悩を描き続けたノルウェー最大の画家エドヴァルト・ムンクの代表作。
 赤い空の下フィヨルドにかかる橋の上で、どこからともなく響いてくる自然を貫く果てしない叫びに恐れおののき耳を塞ぐ人物の姿。

 IMG_1497.jpg
 初の油絵モティーフのテーブル美術館で、複雑な塗装でもってその質感を再現している。
 ミュージアムショップのジョークグッズのバルーンとしては見たことあるが、まさかこういう形で立体化されようとは。

 IMG_1498.jpg
 極限の恐怖をその形相に刻む顔立ちを克明に再現。

 IMG_1499.jpg
 リアリティのないデフォルメされた人物像ながら、立体物としても違和感なく処理されてるのが凄い。

 IMG_1501.jpg
 デザイン上脚はないが、体は5か所のジョイントでくねくねとフレキシブルに動かすことが出来る。
 底面にはマグネットが仕込まれ、重みで安定する上鉄のところにはくっつけることが可能。

 IMG_1500.jpg
 背景はプラパーツを組み合わせた外枠に囲まれている。
 figmaスタンド基部に差し込んでディスプレイが可能。

 IMG_1502.jpg
 背景だけ使ってもいろんな人に叫びを聞かせることが出来る。

 IMG_1503.jpg
 脚がない一方両腕の可動は大変優秀で、豊富な交換手首で非常に豊かな表情をつけることが可能。

 IMG_1504.jpg

 IMG_1505.jpg
 …「スクリーム」ってホラー映画あったな。

 IMG_1506.jpg
 不安感を掻き立てる絵もこういうポーズにするとただの退屈そうな人に(?)

 いやもう。何故これをアクションフィギュアにしたのか小一時間問い詰めたい気もするが知名度からしてみるとセレクトは順当な気も。
 こんなクレイジーなアイテムも近年珍しい。

 さて「テーブル美術館」は今後新作はしばらくお休みする模様だが、今後も狂気に満ちたラインナップが予定されてるらしい。
 気長に待つとしようか。