愚者を装う賢者を畏れよ。…ただしこの世にはその逆ばかり多い。

# 異端者の終焉。

 最近どういうわけかとある少女漫画家が某朝ドラで取り沙汰されている。
 何であそこで実在の作家の作品群を取り上げたのか。そもあの作家はホントにトヨエツみたいな変人なのか。


 さておき。


 白泉社の看板雑誌のひとつ『花とゆめ』が、
 近々休刊するという話を聞いた。


 いわゆる少女漫画雑誌の中では一風変わった性格を持っていたと思われるタイトル。
 和田慎二、柴田昌弘、魔夜峰央といった明らかに他とは毛色の違う作家も多数起用し、「少女漫画」という定義を超えたボーダーレスな雑誌であったように思う。

 出版界冬の時代などと言われるが、
 もうこれ明ける当てのない氷河期みたいなもんなんじゃないかねぇ。

 ただでさえ昭和のアイコン的存在だったヒトやモノが次々消えてゆく昨今。
 これから来たるべき時代に漠然とした不安じみた物すら覚える旧人類である。
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# また遠くなるあの日。

 今の子供がどうかはともかく。
 小さいころ慣れ親しんだ絵本と言うのは幾つになっても忘れ難いもの。

 我にとってのそんな絵本の作家さんの一人、
 加古里子氏が逝去されたとのこと。享年92歳。

 可愛らしい絵柄でもってそこはかとなく社会の仕組みを垣間見せたり、
 健康や科学をテーマにしたりと、
 学者としての側面を持つだけにただ楽しいだけではない絵本を描く方だった。

 恐らくは、我がものの見方の形成に一役買ったであろう作家さんの逝去に、ただ黙祷。

# 出版ブラックジョーク。

 …じょ…冗談だろぉ…
 



 IMG_2017.jpg
 前巻発売から2年半しかたってない!!


 というわけで。日本三大シェフの気まぐれコミックの一角の最新刊がリリースされた。
 件の3タイトルの中では最近気持ち悪いほど連載が途切れていない本作。どうしたナカツ何があった。
 しかも単行本出ても続いてる!?天変地異の前触れか!?スタント遊星来るのか!!?


 とまぁ。
 普通に考えると決して早くはないペースでのリリースでも不思議な気分にさせられる本作。
 相変わらず発売だけでもネタになるのが可笑しいよ。絶賛?発売中。

# 古き良き宇宙。

 リバイバル企画など昨今枚挙に暇がないが、
 コンテンツ関連にも接して長いと、時として思わぬタイトルが復活してたりする。

 最近本屋に赴くと、
 非常に懐かしいタイトルをマンガ雑誌コーナーで見つけて軽くビビる。


 『クラッシャージョウ』。
 もう40年以上前の、高千穂遥原作の和製スペースオペラの名作。
 原作挿絵を担当し、劇場版アニメの監督も務めた安彦良和氏の弟子筋によるコミカライズの模様である。
 第1話の扉絵には安彦氏のメッセージも載ってたそうな。

 いやもう本当に。
 惑星テラフォーミング業から発展した宇宙の便利屋稼業チームの活躍を描いたSFアドベンチャーで、
 今となっては昭和の香りに満ちたレトロフューチャー感すら漂うような作品ではあるのだが。
 それを近年の安彦氏のものに沿った絵柄で見事に再現してあるのだな。
 内容は原作小説2巻「撃滅!宇宙海賊の罠」によるもの。何かこのタイトルだけでも時代を感じるじゃないか。

 何と言うか。小難しい理屈が先行しがちな今日日の創作物界隈、
 こういう「夢と冒険の舞台」としての宇宙を描く作品には「こういうのでいいんだよ」って気持ちになってくる。
 今回でこのタイトルに初めて触れる人がどう感じたかも、ちょっと聞いてみたい気がしたのだった。

# さよなら物質世界。

 戦後70年の節目といわれる年も残すところカレンダー1枚となった折に、訃報がひとつ飛び込んでくる。


 そう、このブログでも何度か取り上げた事のある漫画界の大御所、水木しげる氏。
 地獄の南方戦線を生き抜き、激動の戦後昭和の辛酸を舐め尽くした生き証人でもあったかの偉大なるクリエーターが、よりによってこの年に「もういいだろう」とでも言うように肉体を捨て、愛して止まぬ霊異の世界に旅立ってしまわれた。

 基本的に「人は死んだらそれっきり。死後の世界なんてどこにもない」と考えている性質なのだが、
 この人ばかりは何だか「在り方がちょっと変わっただけ」って気がするね。


 恐らくは、人と人間社会の暗黒面など嫌というほど見続けたであろうかの御仁。
 だが同時に、その闇に潜み蠢くものたちを深く愛してもいた。
 古来の妖怪絵師たちの仕事を引き継ぐように、また新たに人の心の闇が生み出す異形に形を与え続けた、それは浮世離れしているようで実は人の心に寄り添い続けたということであろう所業。

 その仕事が現世にあっては途切れてしまう事はさびしいが、不思議と悲しくはない。
 だからお別れなど言わない。ただこの機に、そう思わせてくれるような偉業を遺してくれた創造者に、ささやかながら感謝の意を。

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